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有名芸人のテクニック!?

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横山やすしのキャラクター性 浜田雅功のツッコミ術
松本人志の発想力


    



横山やすしのキャラクター性

 漫才ブーム時期に一世風靡した『やすきよ』のコンビはお笑い好きでなくても、誰でも知っていると思います。とくに『横山やすし』は、人気絶頂と共に色々と話題になりました。
 彼は、漫才ネタの中でも毒舌がすごいタレントで有名でした。ネタの内容の大半がアドリブの場合もあったそうですが、それでもやはり毒舌が基本でした。さらに、後にいくつかの警察沙汰になる事件を起こしていますが、それで人気が下がるどころか、その事件すらもネタにして、ますます人気が上がっていったのです。毒舌のオンパレードで、事件すらも起こしたのに、なぜ彼の人気は上がったのでしょうか?それはひとえに彼のキャラクター性にあったのです。
 普通の人が毒舌漫才をやっても、どこか演技じみたものを感じさせてしまいますが、彼の強みは「毒舌= 素の人間性」と感じさせた点にあります!(実際に素かどうかは別として…)その演技さを感じさせないところが、スムーズな感情移入を促進させ、その魅力に惹かれた人たちが、どんどんと彼らの笑いの世界に引きずりこまれていったのが原因です。

 1人の人間としてのキャラクター性が極端に秀でていたため、その私生活や考え方を漫才のネタにするだけで、大きな笑いを得られたのです。笑いをとる技術的手段としての毒舌と、その本人のキャラクター性が見事にはまった良い例だと思います。このことからも、お笑いというのは小手先の技術だけではなく、その人自身のキャラクター性(個性)も大きく関わってくることが、お分かりいただけると思います。 

 

松本人志の発想力

 芸能界では、とくに発想力に優れている芸人として『明石家さんま』『島田伸介』などがいますが、ここでは独特の発想力を持つといわれる『松本人志』を例にとり、検証してみましょう。
 私は別にダウンタウンのファンではありませんが、客観的に見て発想の独創性は認めてますし、私と彼の発想の方向性が似ているため、「具体的にどうやって発想しているのか?」という、彼の思考回路がよく理解できるのです。

 まず発想力を考える上で大事なのは、その発想回数です。発想力のある人は、通常どのくらい考えているのか?
 次の私の調査した独自のデータを見てもらいましょう。彼の番組「ダウンタウンDX」を実際放映された中から20回分ランダムにセレクトし、そこから(松本人志が)「1.画面に映ったカット数」、「2.会話の中から明らかにボケを考える素振りを見せた回数」、「3.実際にボケた回数」それぞれの平均(小数点以下、四捨五入)をとってみました。
 結果は番組1回の放送につき、カット数は約218回。ボケようとしたのは約58回。実際ボケたのは約28回です。つまり、1時間番組の中で映った回数(一瞬でも)の4分の1に「明らかにボケを考えている表情」が見えました。そして、その半分は実際にボケをいっています。(ちなみに『浜田雅功』が実際に突っ込んだ平均は約29回と、ボケとほぼ同じ回数になっています)番組は必ず編集されるため、このデータだけですべてを語ることは、はっきりいってできません。しかし、参考程度に会話を検証することはできるでしょう。

※1
この事実を知っている人は、ほとんどいないでしょう。
しかし、これは別に珍しいことではなく、人は誰でも何かを考えるときに「斜め上を見る」、「一瞬、口数が減る」などの行動が自然と出るものなのです。

 まず「明らかにボケを考えている表情」ですが、松本人志の場合は何かを考えているときに「目線が右上を向くクセ」がでます。(※1) ただし、実際に一流のボケ役は相手の言葉のほとんどに対してボケを考えていますし、無意識にボケが浮かびあまり表情に出ないときも多いのです。そのため、ここでは「明らかに〜」という言葉をつけさせてもらいました。
「考えている数」と「実際いう数」に違いが出るのは、「考えてもボケが浮かばなかった」、「ボケは浮かんだが、面白味が少ないためボツにした」、「面白味はあるが、その状況には合わなかったため、いわなかった」などがあります。このように、一瞬のうちに頭の中で内容の取捨選択ができることも、一流の芸人には必要なことなのです。
 そしてその回数は58回。スポットCMを抜いた1回の放映時間は約48分なので、50秒に1回は明らかに考えている表情が出ていました。さらに実際にボケた回数は28回なので、1分43秒に1回はボケています。この番組はゲストトークを交えたものだけに、ボケれる機会は多いのですが、それを考慮に入れてもかなりの数になります。これは『明石家さんま』『島田伸介』くらいの芸人になると、ほぼ同じような数字がでてきます。(当然、番組によって司会者のトーク時間が変わるため、状況によって差はでますが…)
 普通の芸人だと、人にもよりますが5〜6分に1回ボケれればいいほうで、10分に1回なんて芸人も珍しくありません。芸人でさえこの数なのですから、そうでない人は番組中1回もボケないという人も少なくないのです。

Check!!
1989年10月から、日本テレビ系で放映され、2004年秋に15周年を迎える「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」の、15周年記念DVD永久保存版パート1。
傑作トーク集、罰ゲームなどを収録。「浜田チームの24時間鬼ごっこ!」なども面白い。

    
ダウンタウンのガキの使いや...

 さて、数が優秀なのは分かりましたが、『松本人志』はボケの内容には独特な味があります。そう、彼は他の一流芸人と比べて、発想の内容に明らかに違う点があるのです!それは、「子供的発想ができる」ということです。(重要!) 彼の話をよく聞いていれば分かりますが、良い意味で子供なのです。フリートークでは、駄菓子、昔のアニメ、オモチャ等の話題が多く、ボケとして形容される言葉もこれらの言葉が断然多いのです。
 彼の漫才ネタ「誘拐犯」でも、ボケ役である犯人(松本人志)が、身代金要求の電話をかけている最中に「ちょっと待って。あまり長電話するなって、お母ちゃんがいってるから!」とボケるシーンがあります。これも子供的発想の典型的な例といえるでしょう。
 しかし、不思議なことにこのような徹底的に子供的発想をする人が芸能界には少ないのです。これは非常にもったいない!!

 ユーモアセンスの章でも述べていますが、子供的発想ができると頭の中でさまざまな知識を固定観念なく結びつけることができるため、発想能力が飛躍的に伸びるのです!
「何を考えているか分からない」
「頭の中を見てみたい」
「どうしてそういう発想がでてくるの?」
 独特の発想をする人はよくいわれることですが、本人にとっては頭の中できちんと関連付けされたことをいっているだけなので、別段変わったことをしてるわけでもなく、不思議なことでもないのです。
 こういった発想力は、生まれ育った環境による性格が関係してくるため、やろうと思ってもなかなかできるものでもありませんが、努力して磨くことは可能です。もちろん、子供的思考だけが発想力ではないのですが、そういった発想ができると何かと有利なことに違いはありません。そして、「松本人志の発想は面白い!」と評価されている理由の多くも、ここにあるのです。

 

浜田雅功のツッコミ術

 現在、ツッコミ役の第一人者といえば『浜田雅功』ではないでしょうか。(しつこいようですが、私は別にダウンタウンのファンではありません。(笑)) ボケの上手い芸人は多くいますが、ツッコミが上手い芸人というのは中々いないのです。世間の人たちは何となく笑っていますが、それは主にボケの上手さや、流れで笑ってしまっている場合も多く、本当にツッコミが上手い人というのは、僅かしかいません。
 彼のように突っ込みが上手いと、ボケるほうは非常に楽になります。多少つまらないボケをいっても、抜群の突っ込みがくるので、笑いがいくらでもとれるからです。(笑) まぁそれはいいとして、本題に入りましょう。彼の突っ込みが上手いことは分かりましたが、具体的にどこがどう上手いのか?ポイントを4つ挙げます。

1.勢いがある
 これは説明するまでもないですが、当然のごとくツッコミ役は勢いがなくてはいけません。彼の突っ込みに勢いがあるのは、誰でも承知のところなので、ここではあえて説明するまでもないでしょうが、言葉、動き、共に勢いがあります。ただ1つ重要なのは、ツッコミ役というのは、勢いがあるだけではなく、ときには渋ったり、呆れたりと、様々な表情が必要になってきます。

2.捻りが上手い
 意外に知らない人も多いのですが、ツッコミ役は単純な突っ込みだけをいっていればいいわけではありません。話を面白くするには、ボケの要素を含んだ「捻りのある突っ込み」をしなければいけないのです。(重要!) 彼の突っ込みをよく聞いていると、捻りのあるものが非常に多いのです。『横山やすし、西川きよし』の漫才も「ボケとツッコミを両方こなす」ことで有名でしたが、上手い漫才師の条件は、ボケとツッコミ、どちらの技術も持っていることなのです。

3.類を見ないどつき
 どつきのパターンは数あれど、彼ほど多くのパターンを自然に使いこなしている芸人も珍しいでしょう。これは派手だから良いというわけでもありません。あまりに派手すぎても、かえって違和感がでてしまい笑いには繋がりません。「演技さ」をださないよう違和感なく、それでいて多くのパターンでマンネリ化を防ぐのが大事です。

4.超自然体
 漫才でどつきはよく使われますが、彼のようにフリートークでも当たり前のように使用している芸人はなかなかいません。彼の性格がよく表れていますが、お笑いではそれが大きな武器になるのです。普段からできるというのは、本来の人間性がもともと面白いからできることで、それがいわゆる「キャラクター性」を強調させます。そういった個性が表現できると、大袈裟な突っ込みをしてもまったく違和感がなく、大きな笑いに繋がりやすいのです。
 逆に、上手く個性を表現できていないのに大袈裟な突っ込みをしてしまうと、どことなく「わざとらしさ」を感じてしまい、白けてしまうのです。(同じ突っ込みを他の芸人がしても違和感を感じる場合が多いのは、主にこれが原因です)彼の面白さは、超自然体のなせる業といえるのです。


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